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  • 2024/10/27

元社会福祉法人グロー理事長、北岡賢剛氏の20241024判決についての抱樸としての見解と、北岡氏との関わりについて

【北岡賢剛氏に対して自らの加害に向き合い、被害者に真摯に対応することを求めます】

2024年10月24日、東京地裁にて北岡賢剛氏による性暴力・セクシャルハラスメント・パワーハラスメントの加害行為が認められ、北岡賢剛氏並びに、社会福祉法人グローに、賠償の支払いを命じる判決が出ました。

本件は、私たちが活動する福祉業界での出来事であり、非常に重く受け止めています。
NPO法人抱樸は、性暴力やハラスメントを一切容認しません。

これまで私たちは、組織の内部、そして外部の関係者において性暴力やセクシャルハラスメントの加害の疑われる行為を把握した場合、まずは被害を訴えておられる方に寄り添う対応を最優先にしてきました。しかし、本件について、NPO法人抱樸としても、提訴の段階での議論、意思決定をはじめとした十分な対応ができていたとは言えず、反省すべき点があったと認識しています。

今回の判決を受け、抱樸としてのこれまでの対応を反省するとともに、北岡賢剛氏及び社会福祉法人グローに対しては、自らの加害に向き合い、謝罪し、真摯に対応することを求めます。

 

【北岡氏及び、社会福祉法人グローとの関わりについて】

1)「社会福祉法人抱樸」代表呼びかけ人について

2019年2月に抱樸は「社会福祉法人設立のための呼びかけ人・賛同人」の登録を広く呼びかけていました。これは社会福祉法人の具体的な役職を表すものではなく、” 法人設立の趣旨に賛同し、ご寄付(予定)と共に積極的に賛同者を「募り」あるいは「紹介」して下さる方 ” というものでした。北岡氏は、このうち「代表呼びかけ人」のひとりでした。

2019年11月より「希望のまちプロジェクト」が始まり、別途「希望のまち応援団」を募り始めましたが、2020年11月の本件被害者による告発を受け、北岡氏には希望のまち応援団への加入を打診することはしておりませんでした。

その後、社会福祉法人の設立の目処が立ち、「希望のまち応援団」も立ち上がったことから「社会福祉法人設立のための呼びかけ人・賛同人」の役割は事実上、終了しました。2023年9月には社会福祉法人抱樸の設立に伴い、呼びかけ人・賛同人の方々に正式に終了のご連絡をお伝え致しました。公式WEBサイトなどからはこの一覧は削除しておりましたが、2022年作成の企業向けPDF資料に社会福祉法人設立計画に関して北岡氏の名前を含む「代表呼びかけ人・呼びかけ人のご紹介」が記載されており、web上で閲覧可能であったため2024年10月25日に削除しました。

事実上の役割を終えていたにしろ、本来であれば、提訴の段階で正式に北岡氏に代表呼びかけ人を降りていただくことを、当法人内で議論するべきであったと考えます。この間、動向を見守るのみであり、問題を棚上げにしていた点について、深く反省しております。

2)東京演劇集団 風 によるバリアフリー演劇について

2023年6月に北九州で東京演劇集団 風 による「バリアフリー演劇」が行われました。本公演は、希望のまちキャンペーンへの協力のお申し出を劇団から受け、「希望のまち応援企画」として共催したものとなります。「バリアフリー演劇」製作時(2019)に北岡氏が「芸術監督」を務めていたという経緯があり、本公演のチラシに、北岡氏の名前がクレジットされていました。抱樸としては、北岡氏がスタッフとして当該公演の舞台運営に関わらないことを確認していましたが、クレジットがあるにも関わらず「共催」という形で公演を実施した行為は、被害者に寄り添う姿勢に欠けており、真摯な対応ではなかったと大変反省しております。

3)アメニティーフォーラムについて
社会福祉法人グローが共催し毎年開催されているアメニティーフォーラムに関しては、理事長の奥田知志が講演者として登壇してきました。2023年10月には、アメニティーフォーラムから協力団体として参加の依頼を受けましたが、NPO法人抱樸としては提訴を理由にお断りをしています。

 

【今回の裁判の結論を受けて】

これまでの私たちの対応について、北岡氏の名前を記載しつづけたことなど、被害者が受けてきた加害、苦しみを矮小化していたと言わざるを得ません。被害者の方々に深くお詫び申し上げます。

今後、私たち自身もハラスメントや性暴力の加害者、並びに二次加害に加担していないかということを改めて見つめ直し、いかなる現場でも二度とこのようなことが起きないように、努めていきたいと思います。

またNPO法人抱樸としては支援の理念として、いかなる加害者にも同じ過ちを繰り返さないために、自身の罪に向き合い、反省を促し続けたいと思います。改めて、北岡氏に対しては性加害の告発に向き合い、謝罪し、真摯に対応することを求めます。

2024年10月27日
NPO法人抱樸 理事長
奥田知志